《今月のおばんざい》です。「おばんざい」とは、京都のお母さんの味、お惣菜のことです。旬の食材をつかった 簡単なおばんざいをおたべちゃんのお母さんにお聞きします。
おばんざいの基本、だしの取り方はこちらを参考に!

本当に暑い、暑い夏の峠も越え、朝、夕涼しくなってきました。9月は、やっぱりお月見だなあと思いながら、久し振りで、京の台所と言われている錦市場を歩いてみました。昔、よく買ったぐじ(アマダイ)のおいしい店は閉まっていました。若狭の鯖や、鯵のひとしおの専門店も、今はありません。少し淋しい思いをしましたが、背の青い、鮮度のいいさんまや、鯵、等並んでいてほっとしました。秋はやっぱり、さんまか、若狭の塩鯖と思い、思わず塩鯖を買ってしまいました。次に、京野菜の店に行きました。京野菜というブランドで少し高めですが、安心して買える店です。小芋は、栽培に手間ひまかかるので、出荷が少ないそうですが、お月様には、たっぷりお供えしたいものです。お供えした小芋や、だんごは次の日に、白味噌で頂くと聞いた事があります。お供えした小芋に、鴨や、蛸等添えたものと、冷やしとろろと頂けば、次の日の献立も決まってしまいました。
「お月見」
陰暦8月15日の月は仲秋の名月。陰暦は7月から9月までを秋とし、7月:孟秋、8月:仲秋、9月:季秋と呼び、8月の十五夜に限って、昔から観月祭を行っていたそうです。秋の収穫と重なるので、実りを祈る意味で「小芋(里芋)」をお供えし、稲穂に見立てたススキを飾り、お月見が農耕儀礼として定着していったようです。
ところでやっぱり楽しみなのは、「月見だんご」でしょうか!きれいに積み上げただんごと、こしあんをのせてある「月にむら雲」の月見だんご。京都ではいろいろなところで、観月祭が行われ、秋の夜長には特別拝観もはじまります。おばんざいを楽しみながら、ゆっくりお家で観月・・・というのも、いいですよね。

材料(4人分)
作り方
小芋と夏鴨の治部煮
小芋:20個(小さいもの)
鴨:200g
柚子の皮:少々
小麦粉:少々
花鰹:少々

出し汁:200cc
みりん:大さじ2
薄口しょうゆ:大さじ1

酒:大さじ3
みりん:大さじ3
濃い口しょうゆ:大さじ1

Point
小芋を炊くときは、落とし蓋を忘れずに。串が通るようになったら、火が通った証拠です。


1. 小芋は、皮をむいて茹でておく。

 
2. の出し汁に、花鰹を少し入れ の小芋を炊いておく。

3.

鴨は、1cm位にそぎぎりにして、小麦粉をふっておく。

 
4.

の煮汁を煮立たせ、をいれて炊く。

5.

器にを盛り合わせ、の煮汁をすこしかけ、柚子の皮を刻んでのせて出す。

材料(4人分)
作り方
冷やしとろろ汁
自然薯(つくね芋):1/2個
下味をつけた小芋:8個
(先に炊いたものを使います)

出し汁:200cc
白味噌:100g

Point
去年の「冷やしとろろ汁」と違うところは、白味噌仕立てになっているところです。こちらは、白味噌のほんのり甘みが入って、京都らしさがありますね。
1. の出し汁に白味噌をといたものを、漉してから火にかけ、あくをよくとっておく。

2. の白味噌汁を、よく冷やしておく。
 
3. 自然薯は、皮をむいて少し酢水につけてから、すり鉢ですっておく。
4. の白味噌汁でのばしてよくする。
5. をよく冷やし、下味のついた小芋を入れて出す。
材料(4人分)
作り方
【塩さばの酢のもの】
塩鯖:1/4(三枚におろしたもの)
きゅうり:一本
わかめ:適宜
わさび:少々
土しょうが:少々
昆布:少々

酢:大さじ2
酒:大さじ2(出し汁大匙2でもOK)
薄口しょうゆ:大さじ1


1. 塩鯖は、酢に土生姜の薄切りと昆布を入れ、1時間ほど漬けておく。

2. 胡瓜は、乱ぎりして少し塩をしておく。

 
3.

わかめは、水でもどし適当にきっておく。

 
4.

の薄皮をむいてから、血あいと子骨を取り、食べやすい大きさに切っておく。


5.

の水気をよくとったものと、 の酢で和え、わさびを添えて出す。